【欧州】欧州危機の再来か。イタリアが騒がしい。

ここもと、欧州が騒がしいですね。

 

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英国のEU離脱を筆頭に、イタリアでは大手行のモンテ・パスキがECBから不良債権を100億ユーロ削減することを指示されました。(このモンテ・パスキはイタリア・シエーナに本店を置く現存する最古の銀行です。イタリアで第3位の規模。本店が美術館みたい。)

 

イタリア当局は当行に資本注入して救済したいようですが、EUがNOといっているようです。そりゃ、リーマンショック以降、ベイルインを前提に世界が銀行規制に動いているのに、それを無視して公的資金打ち込むのいかがなものかと。

ただ、この銀行、預金は大体10兆円、貸出金はそれよりちょい多い。で、不良債権比率が40%くらい。日本でいうと、地銀大手行の資産の半分が不良債権化しているイメージです。それにしても不良債権比率40%ってどういうことかと言うと、貸出金を含めた債権のうち、半分近くが不良化(=全額返ってこない)している状態。これ、ベイルインしたら間違いなく資本足りないし、イタリアの預金者にも影響が及びます。まぁ税金でとられるか、預金とられるかの違いですが。

取り付け騒ぎがおきたら、何年か前にキプロスで起きた預金封鎖の比じゃないですよ。イタリアはEU第3位の経済規模。イタリアでベイルイン起きたら、流動性が枯渇して金融危機が起きるかもしれませんね。ただし、ECBが全力で流動性供給すると思うのでウニまで及ばないと思いますが。ドイツ銀行も危ないって言われてますし。

ちなみにCDSの推移をみる限りはそこまで危機が意識されているとはいえませんが。

 

それにしてもEU、本当にガタガタですね。