【イタリア・オーストリア】反グローバリズムの幕開けか?

さて、ヨーロッパで注目の政治イベントが2つあります。

 

①イタリアの憲法改正にかかる国民投票

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・何の投票?

 →イタリア議会の上院権限を大幅に縮小させる内容。これまで上下院のねじれ現象などから政治の停滞や不安定が生じていたことが背景。

 

・賛成派が多くなるとどうなるの?

→イタリア議会が事実上の一院制となり、政権与党が政治を行いやすくなる。が、権力の集中が避けれらないとの批判も。反対派が勝つと現首相のレンツィ氏が辞任、総選挙となり、EU懐疑派の「五つ星運動」が躍進する可能性。

 

・どちらが勝ちそう?

世論調査では現状反対派が優勢。

・日程は?

→12月4日(日)に投票、即日開票。日本時間12月5日の早朝(7時ごろ)には大勢が判明予定。

 

②オーストリア大統領選決戦投票のやり直し

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・内容は?

→2016年5月に行われた連邦大統領の決選投票結果について、極右・自由党の訴えが憲法裁判所に認められたため、やり直し選挙となった。

 

・大統領の権限は?

→法律上の権限は大きく、軍の指揮権を持っているが、実際は首相に権限があるなど、抑制されている。

 

・じゃあ何が問題なの?12月4日(日)に投票、即日開票

極右・自由党のホーファー候補とリベラル系・緑の党のファン・デア・ベレン元党首の接戦となっており、仮に「反難民・反エスタブリッシュメント」を掲げる自由党が勝利すると、欧州の右翼・ポピュリズムに拍車がかかる恐れがある。EUを離脱する国が増加する可能性がある。

 

・日程は?

→イタリアの国民投票と同様、12月4日(日)に投票、即日開票。

 

いずれの選挙も既存政治へのYesかNoかを問う色合いが濃く、英国のEU離脱や米国大統領選挙でのトランプ氏の勝利に続く政治の転換点となる可能性がある。

 

もしかしたら、未来の歴史において2016年が大きな転換点と記されているかもしれない。